先日の県議&市議との意見交換会のなかで瓦礫処理について質問しました。その中で『バグフィルターの効果』についてもお聞きしました。
そのときに配布された資料には『バグフィルター付きの焼却炉で、セシウムについて99.99%以上の除去率を確認(第3回環境省災害廃棄物安全評価検討会資料)』とあり、だから大丈夫なのだという結論でした。(この意見交換会の内容についてはただいま録音したものを書き起こし中。)
さて、昨日(2012年1月21日)の東京新聞の『こちら特報部』に下記のような記事が掲載されました。これを読んでアナタはどう判断しますか?
ココから転載(文字の強調は私です)
昨年六月十九日、東京・霞が関の環境省第一会議室。非公開で開かれた有識者会議「災害廃棄物安全評価検討会」は、福島原発周辺の警戒区域・計画的避難区域を除く福島県内の災害がれきの処理方法を了承した。非公開の理由は「表に出せないデータがある」(同省廃棄物・リサイクル対策部)だった。
密室で決まったのは、大きく言って ①木くずなどの可燃物は、新たに放射能対策を講じなくても、既存の焼却炉で焼却可能 ②放射性セシウム濃度が1キログラム当たり8000ベクレル以下の不燃物や焼却灰は最終処分場に埋め立てが可能で、8000ベクレル超については一時保管―の二つだ。
可燃物については「十分な能力を有する排ガス処理施設」との条件を付けた。「十分な能力」とは、ダイオキシン対策で整備された「ろ布式集じん機(バグフィルター)」と呼ばれる高性能の排ガス処理装置のこと。ダイオキシン対策が放射能汚染に通用するとは、にわかに信じ難い。
この時点で、放射能汚染がれきを実際に焼却炉で燃やしたデータはなかった。環境省によれば、その主な根拠は、検討会委員の大迫政浩・国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター長が同会に提出した資料だった。
その一つが、同センター作成の「放射能を帯びた災害廃棄物の処理に関する検討」。ぜんそくや肺がんを引き起こす可能性のある「PM2・5」という粒子状物質は、バグフィルターで「99.99%以上(除去できる)」。だから「(放射性セシウムなどの)元素も捕集される」と報告している。ただ、わずか4ページの資料だけでは、その理由はよく分からない。
もう一つが、「一般廃棄物焼却施設の排ガス処理装置におけるセシウム、ストロンチウムの除去挙動」と題した論文だ。2009年秋、バグフィルターを備えた「A自治体」の焼却炉で測定したところ、セシウムの除去率は「99.99%」という。だが、ここに登場するのは放射能を持たない「安定セシウム」と「安定ストロンチウム」。そもそも放射性物質をテーマにした実験ではないのだ。
有識者のお墨付きを得た環境省は六月二十三日、この方針を正式決定した。後日公表された会議の議事録によれば、これらのデータについて「机上の仮定の数字が多い」(酒井伸一・京都大学環境化学センター長)と批判的な意見もあったが、環境省は黙殺した。
同省廃棄物・リサイクル対策部は「十分なデータはなかったが、方針はすぐ出さなければならなかった。ごみを燃やすことができなければ都市生活は成り立たなくなる」と説明する。まさに「焼却ありき」だった。
環境省自ら「不十分」と認める状況下で、放射能汚染がれきを燃やすのは「人体実験」ではないのか。
大迫氏は「こちら特報部」の取材に「バグフィルターでのばいじんの除去率や、安定セシウム、安定ストロンチウムでの除去率の高さから、バグフィルターで十分除去できる、と検討会で判断した。安定セシウムの挙動は、放射性と同じになると考えていい。災害廃棄物を燃焼した試験はこの時点では行っていないが、災害廃棄物も通常の可燃物なので、性状が都市ごみと大きく異なることはない」と主張した。
環境省も「放射性セシウムの除去率は実際に99.99%だった」と反論する。その根拠を尋ねると、同省が昨年十一月末から十二月中旬までの間、福島県内六ヵ所の焼却施設で測定した結果を示された。そこには「除去率99.92〜99.99%」とある。しかし、これは、バグフィルター付近の測定結果から算定したにすぎない。投入したがれきに含まれていた放射性物質の総量は調べておらず、実際にどれくらい除去できているのかは疑問が残る。
福島県での処理方針は、岩手、宮城両県の災害がれきの広域処理にも継承された。見切り発車した「福島モデル」が今や全国標準になったのだ。
岩手、宮城両県の災害がれきは、通常の年間量の十〜二十年分に相当する約二千万トン。東京都と山形県が受け入れているが、そのほかの地域では住民の反発で調整が難航している。
環境省は、広域処理の安全性を必死にアピールしている。そこで振りまいているのが「バグフィルター安全神話」だ。住民向けのパンフレットには、バグフィルターの図入りで「放射性セシウムをほぼ100%除去でき、大気中への放射性セシウムの放出を防ぎます」と強調している。受け入れに反対する住民は「無知」だと言わんばかりだ。
ごみ問題に詳しい環境ジャーナリストの青木泰氏は講演会や著書などで、「バグフィルター安全神話」に疑問を投げかけている。
「バグフィルターではダイオキシンもすべて取り切れないのに、原子レベルの放射性物質が除去できるというのは、サッカーのゴールネットで野球のボールを捕獲できると言うに等しい暴論だ。焼却炉の煙突から放射性物質が放出されれば、その空気を吸った住民は内部被ばくする」
検討会のあり方については「技術的な検討の場を非公開にする理由は全くない。本来は二〜三年かけて検討を重ねなければいけない問題だが、環境省は、放射性物質が除去できるという実際のデータがないまま、がれき焼却方針を決めてしまった。方針を決めた後に実験でつじつまを合わせても、誰にも信用されない」と憤る。
では、どうするか。青木氏は訴える。
「バグフィルターで99.99%除去できるという説明は直ちにやめるべきだ。現在のように、汚染度にかかわりなく、何でも燃やすのは間違っている。受け入れの基準を早急に決める必要がある」
ここまで転載
『表に出せないデータ』ってなんですかね?なぜ表にだせないんですかね?
『同省廃棄物・リサイクル対策部は「十分なデータはなかったが、方針はすぐ出さなければならなかった。ごみを燃やすことができなければ都市生活は成り立たなくなる」と説明』。これって、食品に含まれる放射性物質の暫定基準を、『厳しくしすぎたらほとんどの食品が出荷停止になり、食べるものがなくなりかねない(厚労省の担当者)(朝日新聞 2012年1月21日)』という理由から長々と維持してみたり、4月から適用される新基準については『放射性物質を含んだ食品を一年間食べた場合の被爆線量を推計した結果、全年齢の平均で0.1ミリシーベルトと比較的低かったことや、主食のコメでほとんど基準を超えなかったことなどを踏まえ、厳しい基準でも供給に問題はないと判断した(朝日新聞 2012年1月21日)』と言っているのと根っこにあるのは同じですね。
『国民の命なんてたいして真剣に考えてないさ〜
』というところですかね?
目の前にある問題がとりあえず片付いているように見えればそれでいいのさ〜
ってなカンジでしょうか?
金がうまくまわっていれば、がれき処理場近くの住民なんて別に〜
なんでしょうかね?
いやいや完全にバカにされたものです。
今ここでがれき処理についての判断を誤れば日本はますます取り返しのつかないことになります。もう一度考え直しましょう。本当にそのがれきは焼却しても大丈夫ですか?拡散しても大丈夫ですか?それとも日本全国仲良く汚染されることを選びますか?
食品の新基準に関しても『「今後、この基準値が変わることはない。次があるとすれば、原発事故による放射能がなくなり、基準自体が必要なくなるときだ」と力説(朝日新聞 2012年1月21日)』する厚労省担当者の言葉に「その通りだね」とうなずきますか?
『原発事故による放射能がなくな』りはしないんですよ。気が遠くなるような、少なくとも私の命が果てるころまではなくなりはしないんです。もちろんこの担当者もいないでしょう。
すべては天使ちゃんたちが背負っていくことになるんです。
近い将来、「mama達は私達のためになにかしてくれたの?」と訊かれるんですよ。
そのときに天使ちゃんの目をみてアナタは何と答えますか?
『何度でも言う。イイ歳したオトナの無知は罪なのだよ の 巻』でした。
またね〜
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